田原あゆみ エッセイ

私の犬

田原あゆみ エッセイ

私の犬、ぽぽ

ぽぽは見た目も、中身もぽぽだ。

その言葉の持っている響きや、印象。それは彼をよく表している。初めてぽぽに会ったとき、飛行場の貨物室を出てきた彼、いや仔犬の写真を一目見たときから彼はぽぽだった。

ほわほわの白い毛に、ふんわりと黒がのっている。おっとりとしていて、けれどボール遊びには入魂の勢いで挑む。他所の犬とどう接したら良いかわからなくて、孤立気味。コミュニケーションの媒体はボールだ。

どうしてこんなに丸いものが好きなのだろう。

初めて海でプラスティックでできた黒い浮きを見つけたとき、ぽぽは腹を震わせて低く唸った。それから浮きに飛びついて大声で吠えて引きずり、鼻で転がした。決してそのそばを離れない。全身を情熱の塊のように震わせて、浮きに挑むその根源は一体なんなのだろう。